こころと経済学 1

 ここ何年か、経済学と心理学との歩み寄りが、急速に進んでいるようだ。
 When Economics Met Psychology http://www.psychologicalscience.org/index.php/publications/observer/2011/july-august-11/when-economics-met-psychology.html
2002年に、心理学者であるDaniel Kahnemanがノーベル経済学賞を受賞してから、顕著になってきているらしい。
有名になったプロスペクト理論ヒューリスティクスとバイアスは、両分野で共通の知識となっている.最近では、解りやすい入門レベルでの書物も複数出版され、一般的にも広く知れわたるようになってきた。
 日経新聞の朝刊で紹介されている「やさしい こころと経済学」というコーナーでは、こころと経済活動との関連性を具体的な事例をあげながら平易に説明している.特に、興味深かったのは、「第2章 倫理観・価値観と絆」というところだ。以下で、全文を読むことができる(新聞の切り抜きをとっておかなくすみ、有り難い.)
http://www.pdrc.keio.ac.jp/news/post_105.html
ここでは、倫理観や幸福感についての理解や定量化が課題となるのではないだろうか。では、どのようにして倫理観や幸福感を測定するのか?心理学が培ってきた方法をどのように役立てることができるのか?
経済学と心理学のアプローチの違いは?などなど、考えながら実験を組んでいかなければ。

 ちなみに、以下の会議録は、経済学に心理学の手法や知見を取り入れることによって、よりよい公共政策に役立てよう、という趣旨のようだ.具体的な政策(policy)に役立てることが、経済学者の主な関心事なのだろう。
 Psychological Science and Behavioral Economics in the Service of Public Policy http://www.nia.nih.gov/sites/default/files/psychological_science_and_behavioral_economics.pdf